スタッフマネジメント力を高める!採用・育成・組織づくりのコツ

採用・育成・組織づくりのコツ

歯科医院経営の成否を分ける最大のテーマ――
それは「人」の課題です。

  • スタッフがすぐに辞めてしまう
  • 採用しても理想の人材が集まらない
  • チームワークが悪く、ギスギスしている
  • 教育が進まず、成長しないスタッフばかり

多くの院長先生が、こうした人材マネジメントの悩みを抱えています。
しかし実は、この問題も「仕組み化」と「考え方の転換」で必ず解決できます。

ここでは、私たちが実際に行ってきた採用・育成・組織づくりの具体策を、惜しみなくお伝えします。

Step01 採用は医院経営の
入口戦略と捉える

採用は“運”ではなく“戦略”

多くの医院は「応募が来ない」「良い人が採れない」と悩みます。
しかし、これは偶然ではありません。

採用は“戦略”です。医院の未来を左右する“投資活動”です。

採用の基本は「ペルソナ設計」

まずは、「どんな人材を採りたいか」を明確にすることが必須です。

  • 年齢層(新卒・20代・30代など)
  • 性格(明るい、真面目、元気、協調性)
  • 求めるスキル(経験の有無、資格の種類)
  • 将来的な役割(リーダー候補、長期勤務)

明確にイメージできない人材は、絶対に採用できません。

採用媒体は“使い分け”が重要

求職者の属性によって、媒体は変えるべきです。

属性 おすすめ媒体
新卒 学校求人、ガイダンス、就活ナビ
若手・中途 Indeed、ジョブメドレー、リクナビNEXT
パート希望 タウンワーク、地域誌、ハローワーク

求人広告は“医院のストーリー”を伝える

給与や待遇だけを並べるのはNG。
以下の情報を必ず盛り込みましょう。

  • 院長の想い・理念
  • スタッフの声・働く雰囲気
  • 教育体制・成長環境
  • 院内イベント・福利厚生

Step02 育成はマニュアルと
関わり方で決まる

育成の悩みは「仕組み不足」が原因

「教えてもすぐ辞める」「成長しない」という悩みの多くは、スタッフの資質ではなく、“育成の仕組み”の欠如によるものです。

「教え方マニュアル」を作る

先輩スタッフによる“感覚指導”ではなく、
誰でも同じ内容を教えられる育成マニュアルを整えましょう。

育成マニュアル例

  • 初日:挨拶・電話対応・掃除
  • 1週目:器具準備・片付け
  • 1か月:アシスタント業務の基本
  • 3か月:患者対応・簡単な説明
  • 6か月:保険診療の補助全般

「小さな達成感」を積み重ねる

人は“成長実感”がないと辞めたくなる生き物です。

  • 週単位・月単位で“できたこと”を振り返る
  • 小さな目標でも達成すれば、必ず褒める
  • 「〇〇ができたら、次は△△に挑戦しよう」という声かけを徹底

フィードバックは“定期面談”で行う

育成において最も効果的なのは、定期的な1対1の面談です。

  • 月1回は必ず面談を行う
  • 「良い点」と「改善点」をバランスよく伝える
  • 目標設定を必ず行い、次の行動を明確にする

Step03 離職防止は
人間関係の質で
決まる

離職の8割は「人間関係」が原因

給与や待遇よりも、人間関係・職場環境が離職理由の圧倒的No.1です。

心理的安全性のある職場をつくる

スタッフが「こんなこと言ったら怒られるかも…」と感じる職場では、絶対に人は定着しません。

  • 院長・先輩が“聴く姿勢”を持つ
  • ミスを責めず、次の行動を一緒に考える
  • 失敗を共有し、チーム全体で学びに変える文化を作る

「理念の共有」を徹底する

全スタッフが「何のために働いているのか」を常に意識できる環境を整えます。

  • 朝礼・終礼で理念を読み上げる
  • 定期的に院長の想いを伝える時間をつくる
  • 院内勉強会で「医院の目指す未来」を共有する

感謝と承認の文化を根付かせる

感謝の言葉は、最も効果的な離職防止策です。

  • 「ありがとうカード」の導入
  • 日報・週報で良い行動をピックアップ
  • 院内イベントでスタッフ表彰を行う

Step04 チーム力は
役割と関係性の
明確化で高まる

チームが機能しない理由は「曖昧さ」

チームワークが悪い医院の多くは、以下の状態に陥っています。

  • 役割分担が曖昧
  • 指示が二重化・混乱する
  • 責任の所在が不明確

ポジションごとの役割を明確化

各ポジションの役割・権限・責任を明文化しましょう。

ポジション 主な役割
院長 経営方針、治療方針、最終判断
副院長 院長補佐、診療マネジメント
衛生士リーダー 衛生士教育、メンテナンス管理
受付リーダー 予約管理、会計、電話対応

定期的な“関係性の調整”を行う

  • 月1回のリーダーミーティングで情報共有
  • 年1回の合宿・懇親会でリフレッシュと団結
  • 全員参加型の医院目標会議を開催

Step05 人の課題を解決する
3つの行動習慣

スタッフマネジメントの成果を上げる行動3選

  1. 毎朝の朝礼で必ず“褒める”時間を設ける
    → 小さな行動でも承認し、全員で共有する
  2. 週1回は「雑談・相談OKタイム」を設ける
    → 業務外の会話も交え、風通しを良くする
  3. 月1回、院長が「未来のビジョン」を語る時間を作る
    → 経営の透明性を高め、スタッフの安心感を醸成